今年の７月３日から新しい紙幣が発行されます。
新札は2004年以来20年ぶり。コロナ禍をきっかけにキャッシュレスが大きく広がりましたが、それでも
新しい紙幣と聞くとちょっとワクワクします。

先日の日経新聞に新札についての記事がありました。それによると今回の刷新では新しい技術が
使われるそうです。
一つ目は「高精細すき入れ（すかし）」。新紙幣ではすかし部分に見える人物の背景にも細かな線が
描かれるそうです。
二つ目は「３Ðホログラム」。実はお札のような薄い紙に大きく動くホログラムを作るのはとても難しい
技術なのだとか。今回のホログラムでは見る角度で人物の顔の向きが変わるそうです。
これらは偽造対策として施されており、誰もが手に入る機械や技術では簡単に再現できないよう工夫されて
います。銀行券では世界初の導入になります。

新しいお札で目を引くのは大きく表示された数字ではないでしょうか。なんだか海外のお札に雰囲気が
似ています。これはユニバーサルデザインを採用しています。
ユニバーサルデザインとは、すべての人にとって使いやすく、できるだけ多くの人が利用可能であるように
デザインすることをいいます。年齢や性別、障がいの有無や言語の違いにかかわらず、はじめから幅広い
利用者を対象に製品や機器、サービス、環境をデザインすることを指しています。
今回のお札に関しては日本語が分からない人でも種類を見分けやすいようにする狙いがあります。
近頃は訪日外国人観光客が急増しているので、新札発行はちょうど良いタイミングですね。

目の不自由な方への配慮としては指で触って区別できるようになっています。また、金種によって
お札の長さが異なっています。これは現行のお札でも採用されている長さと同じです。

ちなみに、ユニバーサルデザインとバリアフリーは似ているようでコンセプトが全く違います。
バリアフリーは高齢者や障がい者がより良い社会生活を送れるよう障壁となるものを取り除く方針で、
ユニバーサルデザインは、すべての人が使いやすいことを目的としています。

いかがでしょうか。新札発行一つにしても社会がよりよい方向に向かうのが実感できますね。